月姫


 このゲームはソフトハウス製ではなく同人ソフトです。
 けれども、そのシナリオの良さは下手なソフトハウスが太刀打ちできないほどクォリティが高いです。
 はっきり言ってリーフの「誰彼」を書いた竹林氏は奈須きのこ氏の爪の垢を煎じて飲んで欲しいほどです。
 ただ、残念なことにCGと音楽に関しては不満が残りますが、シナリオの良さがそれを帳消しにしてくれてます。

 CGに関する不満点は立ち絵は良いのですが、一枚絵が今ひとつなものがあったのと、背景が「雫」、「痕」タイプであったということでしょう。
とはいえ、立ち絵もかなり豊富にあり、これからに期待というところでしょうか。
 音楽そのものは悪くなかったのですが、曲数が少ないのが残念でした。そのためシーンによっては音楽無しという部分もあり、その辺が勿体なく感じました。

 ストーリーはある事故が元で直死の魔眼を手にすることになった主人公 遠野志貴が実家へ帰ってくるところから始まります。
 彼はその事故のあと実家から勘当同然に親戚の家に預けられるのですが、父の死によって当主となった遠野秋葉が呼び戻されました。
 そこから話は猟奇的に進み、徐々に全体像が浮かび上がってきます。

 ストーリー展開はオーソドックスなビジュアルノベル形式で、あるエンドを迎えることによって次のエンドへのフラグが立つ「雫」、「痕」と同じ形式です。
 登場人物は真祖アルクェイド、先輩シエル、妹秋葉、メイド琥珀&翡翠姉妹の5人が攻略対象になります。
 このうち、アルクェイド、シエルシナリオは表シナリオと呼ばれ、秋葉、琥珀、翡翠は遠野シナリオまたは裏シナリオと呼ばれます。
 この表シナリオを終わらせないと裏シナリオへはいけないようになってますが、初版ではその辺が甘く最初から裏シナリオにいけてしまったりしたそうです。現在発売されている物はそのバグフィクスも終わってますので安心してプレイできます。

 攻略順としては表シナリオはアルクェイド、シエルのどちらでも先に攻略してかまいませんが、私はアルクェイド、シエルの順に攻略することをお奨めします。
 裏シナリオは秋葉、翡翠、琥珀の順になります。

アルクェイド

シエル

遠野秋葉

翡翠

琥珀

 同人ソフトということで総合的なクォリティはやや落ちますが、シナリオの良さは折り紙付きです。
 その辺を加味してもお奨めできる一品ですね。
 特に「痕」、「雫」を気に入られた方ならば絶対気に入ってくれると思います。

総合評価:90点/100点満点(同人ソフトということでやや甘めです)

(文責:あかさ)