誰彼


 Leafが久々出したヴィジュアルノベル。

 だが、はっきり言って買う価値はほとんどない。

 
敢えて言おう、カスであると!(C)ギレン・ザビ


 まあ、これが新しいメーカーの物であればまた別なのだが、Leafというメーカーが作っただけに許せないというところだ。

 少なくとも音楽とCG(好みの問題はあるけど)のクォリティに関してはさすがLeafというべきなのだろうが、なにせシナリオが駄目駄目なのが致命的である。
 この発売後に552文章が世に出てLeafの実体が浮き彫りにされてしまった。(^^;)
 それがあるから余計にこの作品の駄目駄目さが強調されてしまった感がある。

 何処が駄目かといえば、まず最初にキャラが全く立っていない。そのため、プレイしたあとになにも残らない。
 主人公は最強の兵士だという割には弱すぎる。
 50年以上寝ていたにもかかわらず、すんなりと現代社会に溶け込んでしまっている。

 つまりはシナリオの出来があまりに悪すぎてつまらないということだろう。
 更にいうならヴィジュアルノベルのくせに一日で攻略が終わってしまうほどであるといえば分かってもらえるだろうか?

 この一日で終わるというのは「雫」、「痕」並である。
 だが、この2作はPC98がまだ全盛だった頃に作られた作品であり、CGにしても「雫」では16色、「痕」でも256色モードと今の作品と比べることができないくらい容量にも差がある。
 しかしながら、この二作品は一日で終わらせてしまうほどのパワーがあった。つまり、プレイヤーをその世界へ引き込んでやまない謎とエロス、タナトスがあった。
 はっきり言ってこの二作品と比べること自体間違っているのだが、プレイ時間という面ではほぼ同じだったので引き合いに出させてもらった。

 このゲームの売りは活動くヴィジュアルだそうだが、うざったいだけだし、チップアニメの出来も良くない。
 シナリオの出来が悪すぎるため、本来なら気にならないような部分にも気になってしまうというところか。

 このゲームのシナリオライターである竹林明秀氏は情報によると青紫(青村早紀)氏の本名だという話だが、それならばこの出来の悪さも納得できると言えよう。
 元々、青紫氏が書いたシナリオはキャラを描ききれず、また構成力も悪いのでこれはほぼ間違いないのではないかと思っている。
 回収する羽目になった「痕」の盗作問題におけるおまけシナリオも氏が手がけていたというのはその筋では有名である。

 実際、PC版、PS版To Heartにおける氏が携わったシナリオのキャラは私の中でも下位にランクされる。
 この辺りに関してはそのうちPC版、PS版To Heartのレヴューで詳しく述べるつもりである。

 結局、このゲーム発売後様々な情報が飛び交い、Leafの黄昏をあからさまにした記念すべき作品であることは間違いないだろう。
 これで東京開発部の次の作品が転けるようなことになればLeafの凋落は確実な物になると思われる。

 丁度「月姫」と逆であるのが妙に笑えてしまう作品であった。

総合評価:10点/100点満点(なお、これがLeafでなければ50点は与えられる。)

(文責:あかさ)